fin.

沈む展にお越し下さった皆様、本当にありがとうございました。
桜も咲き、暖かく春へ向かっていますね。
今回出展した「fnje」という作品は、
普段私が押さえ込んでいるものの解放を願って描き上げた一枚です。
fnjeの始まりは死への願望でした。
度重なる受動を経て、溢れ出てしまった崩壊への憧れ。
日常的には睡眠の中で整理されていくべきものを、
深く見つめるために育てました。

口が裂けても言えない言葉を画面の上に狂ったように描き殴って、
正気に戻る前に眠ってしまうのです。
そしていつしか張り裂けた人体のようなものが表れ、
顔や胴体になり、表情が動き始めます。
毎晩少しずつ俯いてゆく。
瞳孔と口内を描いている時に額を黒い血が伝う。
恐ろしいものの全ては自分の中から出ているような、
細胞が震え上がる瞬間でした。

細胞が。

私はもはや私のものではないような気がします。
姿見や鏡が外側を、絵が内側を映す平面だとしたら、
こんなに修行じみた行為は他に無いと思います。

一体どうしたことでしょうか。