rank.

   



冬の夕方5時の空は
不安な曇りに沈もうとしている
    
    
どんな建造物も顔を失い
屋上の柵が手招きをしているように見える

   
あそこから飛び降りる速度は
きっとこのぐらいだろう 

    
     
透明な自殺者を目で追う
     
      
自殺する人は死に縋っているのだろうか
それとも死に祈っているのだろうか
その瞬間は
きっと地上にいる私より

   
生を全うしているに違いない

 
  

  
 
 
 
 
生に何を祈り
死に何を望む?